僕が中学生の頃、友人宅で何度も聞いた『ウィ・アー・ザ・ワールド』(We Are The World)
マイケル・ジャクソンやライオネル・リッチー、シンディ・ローパー、ティナ・ターナークインシー・ジョーンズにスティーヴィー・ワンダーなど、アメリカを代表する45人のアーティストのハーモニーはとても美しく、印象的な歌でした。
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全てのアーティストがカッコい良いのです。聴いているとゾクゾクするのです。とくにブルーススプリングスティーンのハスキーな声にはしびれました。これぞロックの王様だ!っと勝手に思っていましたからね。スティービーワンダーも渋かった。ビリージョエルにダイアナロスの美しい声、まだあの当時はレコードでしからね。友人にカセットテープに録音をして自宅でも何度も何度も聞きました。懐かしいです。
特に好きなレイチャールズ、独特なオーラに包み込まれピアノを弾く彼の姿は今でも脳裏に焼き付いています。
視力はなくなっても、知力はある
『お前はピアノなんて弾けないさ。歌を歌えないのは神様だってご存じだ。自分で食っていけるように椅子の作り方でも覚えた方が見のためだ!』
これは教師から生徒への厳しい忠告でした。ピアノを弾きながら歌う若者にこれを言ったのですから、とても残酷なことですね。レイチャールズは七歳で完全に失明しました。医師は『眼病による眼圧の増加』緑内障です。
レイの目は、いきなり何も見えなくなったわけではありませんでした。ある日、何キロも先の山が見えたと思ったら、一か月後に同じ山が単なる遠くのぼやけた物体になっていたらしいです。母親と一緒に医者を探す日々、必死に探したのですが、当時1963年南部には黒人の眼科医はほとんといなかったらしいです。
六歳で視力を失った彼に母親は哀れむように育てなかったらしいです。
『お前は目が見えないけどバカではない、視力は無くなったけど知力はあるのよ』
『目は見えなくても生産的で充実した生活が送れる』
と母親の言葉を胸に希望を捨てずに夢をあきらめずに頑張りました。
そしてレイチャールズは『自分が失くしたのは視力だけであって、イメージ化(ビジュアライゼーション)の力は失っていないと悟ったのです。
どれだけ辛い時期でも『外の世界がどんなにひどいことになってたって、頭の中では自分が現実にしたいものがはっきりと見えるだ!』『イメージ化でレコードスターになった自分も見えたんだ!』
そしてシングルレコード『アイ・ガット・ア・ウーマン』で誰にもまねできないような心に響く音楽を生み出しました。
繰り返しの挫折、拒絶されても成功を思い描いた。『レコードスターの自分を見たんだ!』と言う言葉は根拠のない、出まかせなどでもはなく、来るべきものの予兆だったのですね。
あきらめなかった人々を心から尊敬します。